中谷宇吉郎 · 日本語
冒頭段落プレビュー
原文 (日本語)
前の話で、家をもったら、紙の始末をどうするか、少し気になるという話を書いたが、その始末法はきわめて簡単にわかった。半分は棄て、半分は燃してしまうのである。 前にいったように、新聞紙と、買物の時にくれる紙袋とが、心配していたとおりに、みるみるうちに溜って来る。しかし何も取越苦労をする必要はないので、こういう紙類などはどんどんさばけて行く。 第一に、台所で出て来る残肴類であるが、それ等の始末に、紙が大いに必要である。裏庭に大きいブリキ罐があって、その中に残肴を棄てておくと、いつの間にか持って行ってくれるのであるが、それ等は一かたまりごとに、新聞紙で何重にも包み、汁が浸み出さないようにして、紙袋に入れ、きちっとした包みにしておく必要がある。日本だったら、東京から北海道へ送る小包くらいの恰好にして、それをこのブリキ罐の中に棄てるのである。 それほどにしなくてもよさそうなものであるが、アメリカの人夫諸君は、人権意識にめざめているので、汁がしみ出しているような汚いものを、運搬させるわけには行かないのである。これで約半分の紙は、うやむやのうちに始末されるわけである。この行方は、多分燃やされるのであろ
中谷宇吉郎
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