中谷宇吉郎 · 日本語
冒頭段落プレビュー
原文 (日本語)
常夏の国のハワイにも雪が降ることがあるというと、たいていの人は、冗談と思われるであろう。しかし本当に、一冬に四、五回は、雪の降るところがある。もちろん平地のことではなく、高山の頂の話である。 ハワイというのは、本当はハワイ群島の略称であって、大小八つの島から成っている。ごく小さい島は除いての話である。そのうちのオアフ島にホノルルや真珠湾があって、そこが、ハワイの代表的なところになっている。しかし島の大きさからいったら、一番東の方にあるハワイ島が一番大きく、オアフ島の十倍近い広さである。 このハワイ島には、マウナ・ロアとマウナ・ケアという二つの火山がある。いまは一寸休んでいるが、このマウナ・ロアは、時々熔岩を流し出すので、世界的に有名な火山である。二つとも非常に高い山で、ロアの方は一万三千七百フィート近く、ケアの方は一万三千八百フィートばかりある。両方とも高さはほとんど等しく、共に富士山より一千尺以上も高い山である。 ところで冬になると、いくらハワイでも少しは気温が下がるので、これらの高山の頂上では、気温が零度以下になり、時々雪が降るのである。 ハワイは一般的にいって、大気の清浄なところ
中谷宇吉郎
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