新美南吉 · 日本語
冒頭段落プレビュー
原文 (日本語)
かりうどが、ゆきの つもった やまへ、りょうに いきました。うさぎを 一ぴき みつけたので、きの あいだや こみちの うえを、おっかけまわって、やっとの ことで うちとめました。うさぎを ふくろに いれて、そこの きの したで ひとやすみ してから、うちの ほうへ かえりかけました。たにを ひとつ こして、こちらの やまへ きた とき、ぼうしが なくなって いる ことに きが つきました。さっき やすんだ ところに わすれたのかも しれないと おもって そっちを みると、その きの したに だれか いて こちらを みて います。 かりうどが、こちらから、 「おーい。」 と、いうと あちらからも、 「おーい。」 と、いいます。 かりうどは、そちらの ほうへ また もどって いきました。 「おーい、おーい」と よぶと、むこうの きの したでも、 「おーい、おーい」と いって、てを ふって います。たにを わたって、だいぶん ちかづいてから、また よんで みましたが、こんどは、なんとも こたえないで、うれしそうに、きの したに はねまわって いました。 かりうどが きの したに きて みて
新美南吉
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