萩原朔太郎 · 日本語
冒頭段落プレビュー
原文 (日本語)
みなそこに魚の哀傷、 われに涙のいちじるく、 きみはきみとて、 ましろき乳房をぬらさむとする。 この日ごろつかふことなく、 ひさしくわれら靈智にひたる、 すでに長き祈祷ををへ、 いまみれば月も皆既なり、 魚の性はせんちめんたる、 みよ、うみはみどりをたたへ、 肉青らみ、 いんいんとして二人あひ抱く、 齒と齒と合し、 手は手をつがひ、 もつれつつからまりにつつ、 いんよくきはまり、 魚の浪におよぎて、 よるの海に青き死の光れるをみる。 ●図書カード
萩原朔太郎
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