萩原朔太郎 · 日本語
冒頭段落プレビュー
原文 (日本語)
この列をなす少女らのため、 うるはしき都會の窓ぞひらかるる、 みよいまし遠望の海は鳴りいで、 なめいしを皿はすべりて、 さかづきは歩道にこぼれふんすゐす。 こはよき朝のめざめなり、 をとめらのさんたまりやの祈祷なり、 みな少女、 素足あしなみそろへ行く手に、 ちよこれいと銀紙に卷かれ、 くだものは竝木の柵に飾られぬ。 ああ、いづこぞ夢の序樂のぽろねえず、 會社は河岸に涙をひたし、 花店の飾窓つゆにぬれたり、 しばしまたつりがね鳴らむ、 あさまだきにほふ葉影に、 しろじろとかざし泳がせ、 この列をなす少女らあゆむ。 ――樂曲風、情景詩―― ●図書カード
萩原朔太郎
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