ホワイトフレッド・M
ホワイトフレッド・M · 日本語
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ホワイトフレッド・M · 日本語
冒頭段落プレビュー
原文 (日本語)
黄色い霧がグラスゴー地域の一部にかかった。悪臭がニュートン・ムーアの鼻孔にツーン、喉を刺激し、周りを包み、得も言われぬほど不快だ。衣服は湿気でよれよれ。 ムーアは壁に寄りかかって面割り中。同じ姿勢で名うての諜報部員ムーアが粘ってるのは夜のとばりが降りてからずっとだ。口元の煙草は吸いつくし、マッチもなくなった。 こうして震えながら立ちんぼうで何時間も待っている。もし見当たったら、獲物に飛びつくかもしれない。二十時間ついてない。 今までムーアが担当した中で最大の事件だ。うまくいけば欧州一不埒な悪党を捕まえて、投獄してやる。政府関係者の中でアレックス・ミーファを恐れぬものはないばかりか、この二十年、ミーファがいなければ設計図や契約書が漏洩することもなかった。事件の黒幕だった。 しかし、当分ムーアは、ほぼ暇つぶし状態。これは最終局面への手段であり、ちょっとした計画の一部、煙草をくゆらせながら真夜中に考えたものだ。 さみだれに人が通る。そのとき、ひときわ軽い靴音が聞こえ、ムーアが緊張した。上背のある男が通り過ぎた。すごいハンサムで彫像のような面立ち、金の耳飾りをつけている。あきらかにイタリアの伊
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