ホワイトフレッド・M
ホワイトフレッド・M · 日本語
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ホワイトフレッド・M · 日本語
冒頭段落プレビュー
原文 (日本語)
ニュートン・ムーアが緊張して指でまさぐった一片の艶紙は自分のパスポート、拝謁するのはほかでもない首相本人である。 仏頂面の名誉次官がムーアに用件を尋ねるさまは、これ以上の慇懃無礼ができるかというほどだ。 諜報部員のムーアが名刺を渡して待った。名刺はウェスタハウス卿のもの、鉛筆で「持参人面会許可」と書かれている。 仏頂面が高慢ちきに笑った。すぐにムーアは首相の個室に通された。 「閣下、お呼びでございますか」 とムーアがおずおず尋ねた。 ああ、と首相のウェスタハウス卿が額に手を当て、何か重要なことを思い出したかのように、 「ムーア君、呼んだよ。チャールズ・モーリィ卿が君の素晴らしい業績を教えてくれた。一つ引き受けてほしいのだが、大きな負担がかかるかもしれない。任務に全く危険がないとはいえない。必要なのは機転と工夫だ」 ムーアはお辞儀して、信頼に感謝した。 「アストリア大使のワルマ卿を少しは知ってるか」 と首相が尋ねた。 「聞いたことがあります。ワルマ卿の人となりは知能が高く、物知りの大家、バイオリンの名手と聞いています。何編か詩も読んだことがあります」 「高く評価しているのだな」 「部外者
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