宮本百合子
宮本百合子 · 日本語
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宮本百合子 · 日本語
冒頭段落プレビュー
原文 (日本語)
一般の婦人の勤労生活と毎月の生理的変化との関係が、新らしい注意で見られることは実によいと思う。日本では年々労働にしたがう若い女のひとの数は殖えており、先日それぞれの道の専門家が新聞で語っていたとおり、大衆の経済事情が近頃わるくなって来たにつれ、若い婦人の就業年限がのびて、婚期もおくれて来ているのが、今日の実際である。昔から、婦人の犯罪や自殺と生理的異常との関係は常識の上でも理解されているのであり、そういう統計は出ているけれども、例えば大西博士の「労働医学概論」などで婦人労働者の数など調べられてはいても、それ等の婦人労働者の生理的異常の時期の待遇等は観察からとり落されている。その本に序文を書いておられる有名な倉敷労働科学研究所の暉峻義等氏でさえ、著者がその点にふれていないことには言及しておられないのである。 成年の女に月経は自然の現象ではあるけれども、現代の労働の或る種のものは、その自然現象に阻害を与えるような悪事情で女を働らかせている。その面に私たちの関心は向けられる。自然のことなのであるから、それが自然に処理され、自然に経験されてゆくような事情を、働く条件の中に求めてゆくわけである。
宮本百合子
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