宮本百合子 · 日本語
冒頭段落プレビュー
原文 (日本語)
人生を愛しましょう 宮本百合子 現在、私たちは配給に追われたりまきをくすぶらして、食事の仕度をするというような生活に非常な不満をもっています。この不満は五十年、百年前の女性はもっていなかったと思います。これをどうしていったらよいでしょうか。私たちは自分の人生をなんとかしてよくしてゆきたいと思うけれど、それには自分の人生を愛さなくてはならない、愛するには自分から何かしてゆかなくてはならないのです。例えば、皆さんが高い靴下を買いますが、それをただ眺め、なるべく長く保つようにと詩をつくってもだめです。それより最初に一ぺん水につけるとか、ソックスをはくとかすることで、現実にいくらかでもその靴下の寿命がのばせる。その何かすることが大切だと思います。自分の人生にたいして、自分の声を出して行くことです。一番よい生き方は人生を愛し、自分の一生の価値を十分に発揮することなのです。いままでの何々女史と呼ばれるような人は高いところに止っていて、現実の私たちの生活のために何もしてくれない。それは日本の従来の世の中では、有名になったり、地位をきずいたりは偶然に支配されることが多かったからだと思います。これがいま

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