宮本百合子 · 日本語
冒頭段落プレビュー
原文 (日本語)
ソヴェト同盟の婦人と選挙 宮本百合子 資本家・地主のロシアでは―― 「牝鶏は鶏ではない。女どもは人間ではない」むかしロシアにはこういう諺があった。女は男よりねうちのないもので人間ではないと云うのだが、では、むかしロシアの女はどんな扱いをうけていたのでしょうか? 一口に云えば牛や馬のように扱われていた。牛や馬は或る家に飼われ、そこの主人がこきつかうままにこき使われ、食わされるものを食い、ナブられ、あげくによそへ売られれば、それが厭だという抗弁も出来ない。哀れなものです。 昔のロシアで、娘は親のいうことを絶対にきかなければならなかった。死ぬほどいやと思っても親同士が結納の取引をしてしまえば無理やり嫁に行かなければならなかったし、離婚も出来なかった。 ことに農民の婦人の生活はひどく、全くただ働く道具としてだけ考えられた。字を読むことも書くことも知らず、辛い心の訴えどころがないので、つい坊主にだまされ、一生喜捨をまき上げられる有様だったのです。 都会の勤労婦人の生活だって決してこれにまさったものではなかった。亭主はよくのんだくれる。そして女房を殴る。工場ではどうかというと、男と同じに汗水たらし

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