泉鏡花 · 일본어
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원문 (일본어)
月の光に送られて、一人、山の裾を、町はづれの大川の岸へ出た。 同じ其の光ながら、山の樹立と水の流れと、蒼く、白く、薄りと色が分れて、一ツを離れると、一ツが迎へる。影法師も露に濡れて――此の時は夏帽子も單衣の袖も、うつとりとした姿で、俯向いて、土手の草のすら/\と、瀬の音に搖れるやうな風情を視めながら、片側、山に沿ふ空屋の前を寂しく歩行いた。 以前は、此の邊の樣子もこんなでは無かつた。恁う涼風の立つ時分でも、團扇を片手に、手拭を提げなどして、派手な浴衣が、もつと川上あたりまで、岸をちらほらついたものである。 秋にも成ると、山遊びをする町の男女が、ぞろ/\續いて、坂へ掛り口の、此處にあつた酒屋で、吹筒、瓢などに地酒の澄んだのを詰めたもので。……軒も門も傾いて、破廂を漏る月影に掛棄てた、杉の葉が、現に梟の巣のやうに、がさ/\と釣下つて、其の古びた状は、大津繪の奴が置忘れた大鳥毛のやうにも見える。 「狐狸の棲家と云ふのだ、相馬の古御所、いや/\、酒に縁のある處は酒顛童子の物置です、此は……」 渠は立停まつて、露は、しとゞ置きながら水の涸れた磧の如き、ごつ/\と石を並べたのが、引傾いで危なツかし

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