漢那浪笛 · 日本語
全文
原文 (日本語)
わが思ふ女ありやなしや。
まよわしきかな。
夕暮の窓にもたれて、蒼白き息ふく
われも、またありやなしや。
あな、うたがわし。
蚊のなく声を、君がかなしき唄とや
きかむ。
柔風の木の葉にすがる、たわふれを、
君が鬢のほつれとやきかむ。
淋しき夕べの鐘もきこゆ。
森のかなた、君住む墓の頭りにや
あらむ。
今なり、われは独りさ迷ひゆかむ!
夕べの鐘をしたひて
その音に耳を静めて。
●図書カード

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