関根秀雄
関根秀雄 · 日本語
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関根秀雄 · 日本語
冒頭段落プレビュー
原文 (日本語)
モンテーニュの『随想録』を理解する上に、先ず第一に知っていなければならないことは、彼がどのように相対主義者であったかということであろう。私は次に様々な場合をあげて、彼がいかなる場合にも常に相対主義者であったこと、それが彼の知恵にも通ずるし、またそれが『随想録』の愛すべきパラドクスともなっていることを、示そうと思う。 先ず第一に彼が個人主義を説いている場合について考えて見よう。まったくモンテーニュの「我」(moi)は最も有名であり、彼こそ自己について語った最初の著者であると従来一般にも信じられているし、また彼自らもその『随想録』のあちこちに、自分こそこの本の内容なのだとか、他にこれという主題もないからわたしは自己を唯一最大の主題としたので、唯この点でこそ自分の著作は天下に唯一つのものなのだとか、称している。だが文学史家の解説だとか選文集の中に抜萃された断片的文章だとかではなしに、『随想録』の全三巻を通読し熟読した上で気がついて見ると、果してモンテーニュは言われるように徹底した個人主義者であったろうか? 伝説化されているようなエゴイストであったろうか? 『随想録』の中には彼の「我」以外のも
関根秀雄
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