ダンテアリギエリ · 日本語
冒頭段落プレビュー
原文 (日本語)
第一曲 われ正路を失ひ、人生の覊旅半にあたりてとある暗き林のなかにありき 一―三 あゝ荒れあらびわけ入りがたきこの林のさま語ることいかに難いかな、恐れを追思にあらたにし 四―六 いたみをあたふること死に劣らじ、されどわがかしこに享けし幸をあげつらはんため、わがかしこにみし凡ての事を語らん 七―九 われ何によりてかしこに入りしや、善く説きがたし、眞の路を棄てし時、睡りはわが身にみち/\たりき 一〇―一二 されど恐れをもてわが心を刺しゝ溪の盡くるところ、一の山の麓にいたりて 一三―一五 仰ぎ望めば既にその背はいかなる路にあるものをも直くみちびく遊星の光を纏ひゐたりき 一六―一八 この時わが恐れ少しく和ぎぬ、こはよもすがら心のおくにやどりて我をいたく苦しましめしものなりしを 一九―二一 しかしてたとへば呼吸もくるしく洋より岸に出でたる人の、身を危うせる水にむかひ、目をこれにとむるごとく 二二―二四 走りてやまぬわが魂はいまだ生きて過ぎし人なき路をみんとてうしろにむかへり 二五―二七 しばし疲れし身をやすめ、さてふたゝび路にすゝみて、たえず低き足をふみしめ、さびたる山の腰をあゆめり 二八―三〇

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