野村胡堂
野村胡堂 · 일본어
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野村胡堂 · 일본어
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원문 (일본어)
「親分、泥棒は物を盜るのが商賣でせう」 八五郎のガラツ八はまた變なことを言ひ出しました。 「商賣――はをかしいが、まア世間並の泥棒は人の物を盜るだらうな」 錢形平次は、女房に給仕をさせて、遲い朝飯をやり乍ら、斯んな事を言つて居ります。 櫻には少し早いが、妙に身内の擽ぐられるやうな、言ふに言はれぬ好い陽氣です。 「ところがその世間並でねえ泥棒があつたんで――」 「物を盜らずに何を盜つたんだ」 「置いて行つたんで、親分」 「物を置いて行く泥棒は無いぜ。八、忘れ物ぢやないか」 「戸をコヂ開けて入つて、他の家へ物を忘れて行く奴は無いでせう」 「話がこんがらかつていけねえ、一體何處に何があつたんだ。手輕に白状しな、お茶を呑み乍ら聽いてやる」 「白状と來たね。石を抱かせる代りに、せめて落雁を抱かせて貰ひ度い、――出がらしの番茶も呑みやうがある」 「あんな野郎だ、お靜、狙はれた物を出してやつた方が宜いよ」 平次が顎をしやくると、お靜は心得て落雁の箱の蓋を拂つてやりました。口數は少いが、柔か味と情愛の籠つた、相も變らぬ良い女房振です。 「親分の前だが、泥棒が金唐革の飛切上等の懷中煙草入れを忘れて行くと
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