Vol. 2May 2026

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ウィネッカの冬

中谷宇吉郎

ウィネッカの冬は寒い。緯度はだいたい北海道の真中くらいで、寒さも似たようなものである。 雪は少なくて、普通の年では五寸も積れば、皆大雪と思っている。三寸くらいのことが多く、根雪になることはまずない。気温が低いので、融けることは滅多にないが、風が相当強いので、二、三日もすると、皆蒸発してしまう。雪は少なくても、北海道くらいの寒さで、風が強いから、外はずいぶん寒

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冬ごもり

中谷宇吉郎

第7圖 冬ごもりといえば、二米も三米もある深い雪に埋もれて、薄暗い部屋の中で炬燵にもぐり込んで、じっと春の來るのを待つような生活を考える人が多いであろう。そして今までの我が國での冬ごもりといえば、事實そういう生活を指していることが多かった。 秋田縣や山形縣から、雪の名所新潟縣はもちろんのこと、北陸地方一帶にかけて、私たちの祖先はそういう冬ごもりの生活を、今ま

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冬のちょう

小川未明

すがすがしい天気で、青々と大空は晴れていましたが、その奥底に、光った冷たい目がじっと地上をのぞいているような日でした。 美しい女ちょうは、自分の卵をどこに産んだらいいかと惑っているふうでありました。なるたけ暖かな、安全な場所を探していたのでした。 もう、季節は秋の半ばだったからです。その卵が孵化して一ぴきの虫となって、体に自分のような美しい羽がはえて自由にあ

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冬の夜がたり

永井荷風

何歳ごろの事であつたか、はつきりとは思返すことができないのであるが、然し其時の記憶は半世紀あまりを過ぎた今日に至るまで、かすかながら心の奥に残されてゐる。 それは夏でもなければ冬でもなかつたらしい。とすれば、春も暮行くころか、さらずば秋も酣のころ。いづれにしても暑くも寒くもない時分であつたらう。わたくしは小石川金剛寺の坂上に住んでゐた、漢学者某先生の家で、い

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冬の山

木暮理太郎

都大路に木枯が音ずれて、街路樹の梢が日に増しあらわになりまさる頃になると、濁りがちな空の色も流石に冴えて、武蔵野をめぐる山々の姿が、市中からも鮮に望まれる日が多くなる。雪の富士、紫の筑波は言うに及ばず、紫紺の肌美しき道志、御坂の連山の後から、思いも懸けぬ大井川の奥の遠い雪の山がソッと白い顔を出して、このほこらかな文化の都を覗いていることさえも珍しくはない。そ

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冬彦夜話 ――漱石先生に関する事ども――

中谷宇吉郎

『猫』の寒月君『三四郎』の野々宮さんの話の素材が吉村冬彦(寺田寅彦)先生から供給されたものであるという話は、前に書いた通りである。漱石先生と冬彦との関係は、冬彦先生自身が書かれた「夏目漱石先生の追憶」の中に詳しく述べられている。私は丁度大正十二年の暮から四年余りの間冬彦先生の下で働いていたことがあって、その頃度々、曙町の応接間で色々の話を伺ったのであるが、そ

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冬の情緒

萩原朔太郎

冬の情緒 萩原朔太郎 冬といふ季節は、蕭条とした自然の中にをののいてゐる、人間の果敢ない孤独さを思はせる。我々の遠い先祖は、冬の来る前に穴を掘り、熊や狐やの獣と共に、小さくかじかまつて生きたへて居た。そこには食物も餌物もなく、鈍暗とした空の下で、自然は氷にとざされて居た。死と。眠りと。永遠の沈黙と。―― おそろしい冬に於て、何よりも人々は火を愛した。人間の先

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ゲエテの「冬のハルツに旅す」

堀辰雄

ゲエテの「冬のハルツに旅す」の斷章にブラアムスが附曲したアルト・ラプソディを、一週間ばかり前からレコオドでをりをり聽いてゐるが、どうもそれを唱つたオネエギンといふ女のひとの、すこし北歐訛りのある陰影に富んだ、底光りのする歌ごゑがすつかり耳についてしまつてゐる。夜など、ふと目をさますと、その歌が耳の底から蘇つてくるやうである。……しかし、ずつと病牀にゐる私は、

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冬の日

梶井基次郎

季節は冬至に間もなかった。堯の窓からは、地盤の低い家々の庭や門辺に立っている木々の葉が、一日ごと剥がれてゆく様が見えた。 ごんごん胡麻は老婆の蓬髪のようになってしまい、霜に美しく灼けた桜の最後の葉がなくなり、欅が風にかさかさ身を震わすごとに隠れていた風景の部分が現われて来た。 もう暁刻の百舌鳥も来なくなった。そしてある日、屏風のように立ち並んだ樫の木へ鉛色の

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冬日抄

牧野信一

(手紙を書く) * 空想は自然の隈どりだ、櫟林の奥で捕獲した一個のムラサキ蝶を験めようか! 樺色地に薄墨の豹紋を散らして、光りの屈折に随つては、真紫に輝く見るも鮮やかな幻色を呈するのだ。或ひは土の上を飛んでゐる一個のミチシルベをつまみあげて見ようか! シヤムや西蔵の仏像の色彩を連想する類ひのエメラルド・バミリオン、黒、白の斑点――何と、これが土の上に飛んで、

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冬日の窓

永井荷風

○ 窓の外は鄰の家の畠である。 畠の彼方に、その全景が一目に眺められるやうな適当の距離に山が聳えてゐる。 山の一方が低くなつて樹木の梢と人家の屋根とに其麓をかくしてゐるあたりから、湖水のやうな海が家よりも高く水平線を横たへてゐる。 これが熱海の町端の或家の窓から見る風景である。九月の初からわたくしは此処に戦後の日を送つてゐる。秋は去り年も亦日に日に残少くなつ

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冬日の窓

永井荷風

○ 窓の外は隣の家の畠である。 畠の彼方に、その全景が一目に眺められるような適当の距離に山が聳えている。 山の一方が低くなって樹木の梢と人家の屋根とにその麓をかくしているあたりから、湖水のような海が家よりも高く水平線を横たえている。 これが熱海の町端の或家の窓から見る風景である。九月の初からわたくしは此処に戦後の日を送っている。秋は去り年もまた日に日に残少く

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冬日記

原民喜

真白い西洋紙を展げて、その上に落ちてくる午後の光線をぼんやり眺めていると、眼はその紙のなかに吸込まれて行くようで、心はかすかな光線のうつろいに悶えているのであった。紙を展べた机は塵一つない、清らかな、冷たい触感を湛えた儘、彼の前にあった。障子の硝子越しに、黐の樹が見え、その樹の上の空に青白い雲がただよっているらしいことが光線の具合で感じられる。冷え冷えとして

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ある冬の晩のこと

小川未明

橋のそばに、一人のみすぼらしいふうをした女が、冷たい大地の上へむしろを敷いて、その上にすわり、粗末な三味線を抱えて唄をうたっていました。 あちらにともっている街燈の光が、わずかに、寒い風の吹く中を漂ってきて、この髪のほつれた、哀れな女を、闇のうちに、ほんのりと浮き出すように照らしているばかりなので、顔もはっきりとわからなかったが、どうやら女は両方の目とも見え

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冬晴れ

原民喜

冬晴れ 原民喜 上と下に路があって真中に桜の並木が植ってゐるが、上の方の路にはよく日があたった。ところどころ家並が切れたところに川が見えた。一人の小学生が日のよくあたる方の路を歩いて学校へ行ってゐた。すると後から上級生がやって来た。苦味走った顔の、力の強さうな上級生は彼と並んで一緒に歩き出した。二人の肩に冬の朝日がぽかぽか照りつけた。桜の枯木は生ぬるい影を地

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冬枯れ

徳永直

この南九州の熊本市まで、東京から慌ただしく帰省してきた左翼作家鷲尾和吉は、三日も経つともうスッカリ苛々していた――。 朝のうちは、女房が洗濯を終るまで子守しなければならぬので、駄菓子店である生家の軒先の床机を出して、懐中の三番めの女の児をヨイヨイたたきながら、弱い冬の陽だまりでじッとしている習慣だった。 この辺は熊本市も一等端っこの町はずれで、肥汲み馬車と、

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冬に死す

竹内浩三

蛾が 静かに障子の桟からおちたよ 死んだんだね なにもしなかったぼくは こうして なにもせずに 死んでゆくよ ひとりで 生殖もしなかったの 寒くってね なんにもしたくなかったの 死んでゆくよ ひとりで なんにもしなかったから ひとは すぐぼくのことを 忘れてしまうだろう いいの ぼくは 死んでゆくよ ひとりで こごえた蛾みたいに ●図書カード

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冬の法隆寺詣で

正宗白鳥

十二月中旬、私は法隆寺詣でをした。私は青年のころから今日までに幾度この寺へ行ったことか。さして意味のある事ではないので、ただ何かのはずみで身に着いた習慣を追っているようなものである。半世紀あまりも前に、Y新聞の美術面担任記者となった時、それでは奈良の寺院や仏像ぐらいは、一通り見て置かねばなるまいと思い立って、上野の博物館員の紹介状をもらって出掛けた。法隆寺で

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冬物語

牧野信一

その田舎の、K家といふ閑静な屋敷を訪れて、私は四五年振りでそこの古風な庭を眺めることを沁々と期待してゐたが、折悪しく激しい旋風がこゝを先途と吹きまくつて止め度もなく、遥かの野面から砲煙のやうに襲来する竜巻の津波で目もあけられぬ有様だつた。 「何もこの風は、けふに限つたことではありはしない。大体冬ぢうは吹き通す風さ。」 とK家の主の銑太郎は、風流さうな顔つきを

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冬至

桜間中庸

あをいタイルの浴槽にひたつてゐる。 外は武藏野の風であらうにこの落ちついた心はふるさとを想つてゐる。 ぷち――ぷち ゆぶねのあちこちに月のやうに浮んでゐる橙の實をそつと下から押へる。 兩手の指で押へると種子はあわてゝはねる。いゝ音だ。 冬至。ふるさとも風であらう。 ぷちつとはねた種子は私の額ではずんで湯に逃げた。 私は笑ひたくなつた。 顏をあげると高いガラス

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冬至の南瓜

窪田空穂

十二月二十二日、冬日ざしが眩しく照つてはゐるが、めつきりと寒くなつた日の午後、A君といふ、青年と中年の中間年輩の人が、用足しに来た。事が済んだあと、「今日はいよいよ南瓜を食べる日になつたね」と、歳末の挨拶気分で云つた。するとA君は急に笑ひ出して、「すこし以前のことですがね、出入をしてゐた百姓が、冬至前に南瓜を持つて来たんです。私はそれを見て、何だこんなうらな

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