Vol. 2May 2026

도서

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14,981종 중 14,640종 표시

食べたり君よ

古川緑波

亡くなられた菊池寛先生に、初めてお目にかかったのは、僕が大学一年生の時だから、もう二十何年前のことである。 当時、文藝春秋社は、雑司ヶ谷金山にあり、僕はそこで、先生の下に働くことになった。 初対面後、間もなくの或る夕方、先生は僕を銀座へ誘って、夕食を御馳走して下さった。 今尚西銀座に、ダンスホールとなって残っているエーワン、それが未だカッテージ風の小さな店で

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食品とその混ぜ物処理

ハッサルアーサー・ヒル

ランセットの「分析衛生委員会」の1851~54年の報告を含み修正・拡大している。 すべての階級の公衆が利用している、色々な小売商、製造者および商人から購入した、 固体および液体の独自の顕微鏡および化学分析の記録である。 食物の材料として使われた多数の植物性の物質および混ぜ物として使われている 多くの物質の微細構造159図を示している。 医博アーサー・ヒル・ハ

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食器は料理のきもの

北大路魯山人

私はどうして陶磁器ならびに漆器などをつくるようになったか――みなさま大方はご存じのことと思いますが、私は料理を始めてから、ここにこうして窯を築き、陶磁器ならびに漆器類を、みずからつくっています。 なぜ、私がこうして陶磁製作に熱中して、みずから手を下すことにしているか、傍からご覧になると甚だ物好き過ぎるように思われましょうが、本人の私は、これが当然であると思っ

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食堂

島崎藤村

食堂 島崎藤村 お三輪が東京の方にいる伜の新七からの便りを受取って、浦和の町からちょっと上京しようと思い立つ頃は、震災後満一年にあたる九月一日がまためぐって来た頃であった。お三輪に、彼女が娵のお富に、二人の孫に、子守娘に、この家族は震災の当時東京から焼出されて、浦和まで落ちのびて来たものばかりであった。 何となく秋めいた空の色も、最早九月のはじめらしい。風も

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食慾

豊島与志雄

食慾 豊島与志雄 同じ高原でも、沓掛の方は軽井沢より、霧も浅く湿気も少ないので、私の身体にはよいだろうと、そう野口は申しましたが、実際、私もそのように感じました。けれども、私の身体によろしいのと同じ程度に、野口の身体にもよろしいので、私達の間の健康の差は前と同様でした。……おう、うっかり口に出ましたが、健康の差……夫婦の間で、相手の体力や気力と自分の体力や気

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食指談

佐藤垢石

食指談 佐藤垢石 一 蕎麥は、春蕎麥よりも秋蕎麥の方が、味香共に豊かであると昔からいわれているが、その理屈はともかくとして、このほど上州赤城の中腹室沢の金子豊君から贈って貰った秋蕎麥は、近年まれにおいしかった。老妻が麺棒を握って額から汗を流している間に、私は疎開のとき東京から持ってきた霞網を麥田と菜畑との間に張って雀数羽を獲り、これを汁のなかへ入れて雀蕎麥を

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食通

太宰治

食通というのは、大食いの事をいうのだと聞いている。私は、いまはそうでも無いけれども、かつて、非常な大食いであった。その時期には、私は自分を非常な食通だとばかり思っていた。友人の檀一雄などに、食通というのは、大食いの事をいうのだと真面目な顔をして教えて、おでんや等で、豆腐、がんもどき、大根、また豆腐というような順序で際限も無く食べて見せると、檀君は眼を丸くして

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飢ゑ

原民喜

飢ゑ 原民喜 僕はこの部屋にゐると、まるで囚人のやうな気持にされる。四方の壁も天井もまつ白だし、すりガラスの回転式の小窓の隙間から見える外界も、何か脅威を含んでゐる。絶え間ない飢餓が感覚を鋭くさせるのか、ガラス一重と薄い板壁からなる、この部屋の構造が、外界の湿気や狂気を直接皮膚のやうに吸集するのか、――じつと坐つて考へ込むことは、大概こんなことだ。それにして

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飢えたる百姓達

今野大力

稲の穂先へ米が幾粒実ったとても それが生活への打撃の少ないものはいい 一粒の種から一粒の穂先が首を天上へ―― 野は早くも荒涼 寒冷に夜はあける 稲ハセは痩せて鳥の飢えたる鳴き声に 不吉な暗示を、 百姓達は ああ どうしようもない 組合もない いや増しに来る寒さは吹雪となって腿引の破れへ首を釣り 穀物の尠い土地に雑草の種は蒔かれる。 冬空、雪雲が彼方から村を襲

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飢餓の中から

中野鈴子

腹は凹んで皮ばかりのようだ 口はほせからツバも出ない 目はかすんでものが見えぬ 三分作なのに地主はおしかけて来た 来年の年貢をよこせと そして 手をあわせて拝むわたしらを尻目にかけ 一粒のこらず かっさらって行った 毎日毎晩 わたしらは夢中で外へ這い出た キョロキョロになって吹雪の中をかけまわった 木の根をむしった 草の芽をかんだ 見つけ次第 犬猫を殺し奪い

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飢餓地帯を歩く ――東北農村惨状報告書――

下村千秋

また雪が降り出した。 もう一尺五寸、 手の指も足の指もちぎれそうだ。 しかし俺は喰いものをあさりに、 一人山へ登って行く。 俺はいつも、男だ男だと思って、 寒さを消しながら、 夢中で山から山をあさって歩く。 これは、青森県のある新聞に載せてあったもので、或る農村――八甲田山麓の村の一青年の詩である。詩としての良し悪しはここでは問題としない。只、この短かい詩句

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にぎり飯

永井荷風

深川古石場町の警防団員であつた荒物屋の佐藤は三月九日夜半の空襲に、やつとのこと火の中を葛西橋近くまで逃げ延び、頭巾の間から真赤になつた眼をしばだゝきながらも、放水路堤防の草の色と水の流を見て、初て生命拾ひをしたことを確めた。 然しどこをどう逃げ迷つて来たのか、さつぱり見当がつかない。逃げ迷つて行く道すがら人なだれの中に、子供をおぶつた女房の姿を見失ひ、声をか

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にぎり飯

永井荷風

深川古石場町の警防団員であった荒物屋の佐藤は三月九日夜半の空襲に、やっとのこと火の中を葛西橋近くまで逃げ延び、頭巾の間から真赤になった眼をしばだたきながらも、放水路堤防の草の色と水の流を見て、初て生命拾いをしたことを確めた。 しかしどこをどう逃げ迷って来たのか、さっぱり見当がつかない。逃げ迷って行く道すがら人なだれの中に、子供をおぶった女房の姿を見失い、声を

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飯待つ間

正岡子規

余は昔から朝飯を喰わぬ事にきめて居る故病人ながらも腹がへって昼飯を待ちかねるのは毎日の事である。今日ははや午砲が鳴ったのにまだ飯が出来ぬ。枕もとには本も硯も何も出て居らぬ。新聞の一枚も残って居らぬ。仕方がないから蒲団に頬杖ついたままぼんやりとして庭をながめて居る。 おとといの野分のなごりか空は曇って居る。十本ばかり並んだ頭は風の害を受けたけれど今は起き直って

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飯田橋駅

原民喜

飯田橋駅 原民喜 飯田橋のプラットホームは何と云ふ快い彎曲なのだらう。省線電車がお腹を摩りつけて其処に停まると、なかから三人の青年紳士が現れた。彼等は一様に肩の怒ったオーバーを着て三人が三人ステッキを持って、あの長いコンクリートの廊下を神楽坂方面の出口へと歩いて行く。ガランコロンとステッキが鳴る、歩調が揃ひ過ぎてる、身長がほぼ同じだ、ロボットのやうに揃ひ過ぎ

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飯田の町に寄す

岸田国士

飯田   美しき町 山ちかく 水にのぞみ 空あかるく風にほやかなる町 飯田   静かなる町 人みな  言葉やわらかに 物音   ちまたにたゝず 粛然として古城の如く丘にたつ町 飯田   ゆたかなる町 財に貧富あれども 身に貴賤ありとおぼへず 一什一器かりそめになく 老若男女、みなそれぞれの詩と哲学とをもつ町 飯田   ゆかしき町 家々みな奥深きものをつゝみ

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飲料のはなし

佐藤春夫

わたくしは老来、毎年少しづつ肥満して今はいつも十八貫以上、下着なども普通のものでは間に合はないが、こんな男一疋の体重になつたのは四十以後で、少年の頃は骨と皮ばかりの痩せつぽち、それでゐて頑健この上なし樫の木のやうなと云はれた体質で、五尺六寸に近い身長で体重は十二貫あるなしであつた。 痩せてゐたせゐか暑さは一向苦にならず、汗なども少しも流れない。今は暑気も厭は

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飲酒家

薄田泣菫

片山国嘉博士が名代の禁酒論者であるのは知らぬ者はない。博士の説によると、不良少年、白痴、巾着切……などいふ輩は、大抵酒飲みの子に生れるもので、世間に酒が無かつたら、天国はつい手の達きさうなところまで引張り寄せる事が出来るらしい。 尤も亡くなつた上田敏博士などは、酒が肉体によくないのは判つてゐる。だが、素敵に精神の助けになるのは争はれない。自分は肉体と精神と孰

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飴だま

新美南吉

飴だま 新美南吉 春のあたたかい日のこと、わたし舟にふたりの小さな子どもをつれた女の旅人がのりました。 舟が出ようとすると、 「おオい、ちょっとまってくれ。」 と、どての向こうから手をふりながら、さむらいがひとり走ってきて、舟にとびこみました。 舟は出ました。 さむらいは舟のまん中にどっかりすわっていました。ぽかぽかあたたかいので、そのうちにいねむりをはじめ

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飴チョコの天使

小川未明

青い、美しい空の下に、黒い煙の上がる、煙突の幾本か立った工場がありました。その工場の中では、飴チョコを製造していました。 製造された飴チョコは、小さな箱の中に入れられて、方々の町や、村や、また都会に向かって送られるのでありました。 ある日、車の上に、たくさんの飴チョコの箱が積まれました。それは、工場から、長いうねうねとした道を揺られて、停車場へと運ばれ、そこ

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餅のタタリ

坂口安吾

餅のタタリ 坂口安吾 餅を落した泥棒 土地によって一風変った奇習や奇祭があるものだが、日本中おしなべて変りのないのは新年にお餅を食べ門松をたてて祝う。お雑煮の作り方は土地ごとに大そうな違いはあるが、お餅を食べ門松をたてて新春を祝うことだけは日本中変りがなかろうと誰しも思いがちである。 意外にも、新年にお餅も食べず門松もたてない村や部落は日本の諸地にかなり散在

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餅を喫う

田中貢太郎

餅を喫う 田中貢太郎 町の酒屋では壮い主人が亡くなったので、その日葬式を済まして、親類や手伝いに来て貰った隣の人びとに所謂涙酒を出し、それもやっと終って皆で寝たところで、裏門の戸をとんとんと叩く者があった。 その家には雇人も二三人おり、親類の者も泊り合せていたが、この二三日の疲れでぐっすり睡ってしまって知らなかった。ただ女房の藤代のみは、所天に別れた悲しみの

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